ヤーズに限らず低用量ピルは、お薬を飲み始めて最初の1~2ヵ月間は、頭痛や悪心、不正出血、乳房の張りなどのマイナートラブルが起こりやすい時期です。
ほとんどの場合、服用を続けるうちに治まりますが、症状がつらいときや長く続くときは、服用を中止して担当の医師に相談してください。

ヤーズの副作用

頭痛、吐き気、不正子宮出血、性器出血、月経痛、下腹部痛などが報告されています。

不正出血の原因として考えられるのは、
お薬の飲み忘れで効果が弱くなった
下痢などで消化吸収が悪くなり、お薬の効果が弱くなった
子宮内膜症、性感染症、子宮頸がん、子宮体がんなどの可能性があります。

マイナートラブルではない副作用として怖いのが、血栓症です。
血栓症はヤーズに限らず、EP配合剤(低用量経口避妊薬)を服用する際に気をつけたい副作用のひとつです。

血栓症とは、血管に血のかたまり(血栓)が詰まる病気で、医療機関での早急な対応が必要です。

血栓症には、次の2つのタイプがあります。

静脈血栓症
足の静脈に血栓が詰まる深部静脈血栓症と、その血栓が移動して肺の静脈に詰まる肺塞栓症があります。
飛行機などの乗り物内であまり足を動かせないことに関連して発症するエコノミークラス症候群として知られています。

動脈血栓症
動脈に血栓が詰まることで、心筋梗塞や脳梗塞につながるおそれがあります。

血栓症の初期症状

  • ふくらはぎの痛み・むくみ、手足のしびれ(通常は片方のみ)
  • 鋭い胸の痛み、突然の息切れ
  • 胸部の押しつぶされるような痛み
  • 激しい頭痛、めまい、失神、視覚・言語障害(目のかすみ、舌のもつれ)

血栓症の危険が高まる状態

  1. 体を動かせない状態
  2. 顕著な血圧上昇がみられた場合など

注意が必要な症状

手足
突然の足の痛み・腫れ、手足の脱力・まひ
ふくらはぎが赤くなっている、握ると痛い注意が必要な症状

胸部
激しい胸の痛み、突然の息切れ、押しつぶされるような痛み

頭部
激しい頭痛、前兆のある痛み
(頭痛の前にチカチカしたり、閃光が走ったりする)

腹部
激しい腹痛


舌のもつれ・しゃべりにくい


突然の視力障害(見えにくいところがある・視野が狭くなる)

喫煙する人は血栓症の危険性が高くなるので、禁煙することをおすすめします。


現在日本では、ヤーズ以外にもルナベルやトリキュラーほか多くの類似薬剤が広く処方され、避妊だけでなく月経調整、月経痛や月経過多の改善、月経前症候群の症状改善などの目的で多くの女性に使用されています
確かにヤーズ服用者の血栓症発症率は他のお薬より高いとされているようですが、血栓症はヤーズに限ったことではありません。
また、血栓症にかからない人の方が多いとも言えます。

低用量ピルを服用している人は、血栓症の初期症状に注意しながら服用するようにしてください。

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