塩は料理の味を決めるには欠かせない調味料であり、塩加減は調味の基本とも言えます。

塩の種類

▼海水塩
海水をなんらかの方法で濃縮・結晶させた塩。海藻のエキスが入った藻塩も海水塩の一種。主に世界各地の沿岸部で生産されている
▼岩塩
地中で結晶した塩の鉱山から採掘したもの。パキスタンのピンク岩塩など
▼湖塩
塩分濃度5%以上の塩水で構成された湖から採れる塩。イスラエルの死海など
▼地下塩水塩
食塩泉など、塩分を含んだ地下水からできる塩
▼再製加工塩
塩を原料ににがりを添加するなどして再度加工したもの。伯方の塩など原料となる塩は主にメキシコ・オーストラリアの天日塩が多い
▼調味塩
塩にハーブやスパイスをブレンドしたり、染みこませる等して味をつけたもの

塩の製法

塩の製法には大きく分けて2種類あります。
岩塩や湖塩など最初から塩として結晶している場合は採掘するだけで塩が手に入りますが、海水や地下塩水から製塩を行う場合は、なんらかの方法で煮詰めていく必要があります。
海水の場合は塩分濃度が約3.4%ですが、それをだいたい10倍近く濃縮しないと、塩として採取できません。
日本はほぼすべて海水からの製塩なので、いかに効率的に塩を生産するか、そこにさまざまなものづくりの知恵が詰め込まれてきました。
そのため、今や日本の製塩技術は世界一の進化を遂げています。

製塩は「濃縮工程」「結晶工程」「仕上げ工程」の3段階に分類され、れぞれの段階で様々な製法があり、生産者の考え方や事業規模によって製法が採用されていきます。

製塩の3段階とそれぞれの製法

▼濃縮工程(海水の塩分濃度を高める)
平釜、立釜、天日、逆浸透膜、イオン膜、溶解、浸漬
▼結晶工程(塩を結晶させる)
平釜、立釜、天日、噴霧乾燥、加熱ドラム、採掘
▼仕上工程(結晶した塩に加工を施す)
乾燥、粉砕、焼成、混合、洗浄、造粒

濃縮工程にも結晶工程にも「天日」が出てきますが、一言に天日といっても、その中には複数の製法が含まれています。

「天日」は太陽と風の力で海水を蒸発させる方法で、「平釜」は密封されていない釜で煮詰めて結晶を作る方法です。

「できあがった塩を天日(太陽と風)の下で干したもの」は天日塩と言うことはできません。
結晶工程が天日であって初めて「天日塩」と言えます。
また、濃縮工程も結晶工程も天日で行った場合に「完全天日塩」と呼ばれます。

一般的に売られている食塩は、塩化ナトリウムが99%以上の精製された塩です。

安全な塩の選び方

塩の製法が「天日」「平釜」であること
原材料に添加物がないもの

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